古くなったサリーや男性が腰に巻くドゥティを数枚合わせてちくちくと刺したものをベンガル語でカンタといいます。一昔まえまでは、どの家でも寝るときに敷くものや掛けるものはほとんどみなカンタでした。ふだん使うカンタは粗い目で刺されていて、模様もありませんが、客用や、娘が嫁ぎ先にもっていくようなカンタには布地全体がさざ波だつほど細かく刺されていてきれいな模様がほどこされています。こうした模様のあるカンタをノクシ・カンタ(飾りカンタ)と呼んでいます。また新しく生まれてきた赤ちゃんのために送られるカンタはシュシュニ・カンタと呼ばれ、赤ちゃんの幸福を願って夢のある愛らしい模様が施されています。このごろでは、インドの村の生活も忙しくなってきて、限りなく時間のかかるカンタを刺す女の人は少なくなってしまいました。アナンダ工房では、この伝統的なベンガルのカンタを私達が身近に楽しめる様アレンジしました。