アカネ科 Rubia cordifolia L., Rubia manjista.
茜染料は、インダス文明、紀元前二千年の頃にはすでに糸を染める染料として用いられていたと言われています。茜染めの染方法は西北部インド周辺では古代から伝承され、その色は繊維がなくなるまで変わらないと言われるほど技術が高かったようです。この地方で用いられていた茜は主に二種類あると思われ、ヒマラヤ山麓の丘陵地帯、チョタナーグプルやスリランカの山岳地に自生する四葉のインドアカネ、またアフガニスタン、イランで採れる六葉のセイウヨウアカネが両方使われていたのではないかと思われます。
インドアカネは、根は太いひげ状をしていて、現在でも薬用として売られています。アナンダ工房は、この乾燥したインドアカネを用いています。染めるたびに色合いが異なりますが、毎回より美しい色が染まるよう苦心しています。美しい色を見ることはこの上なく幸せです。(図=直樹 文=由利子)