アジア大バザール

アジアの魅力にとりつかれた20人の作家、写真家、イラストレーターが書き下ろすエッセイのアンソロジー。舞台は中国、インド、イエメンそして日本とアジアが中心。だが、話はアジアからパリやイタリアまで広がっていく。1作品約20ページと短い。

友人の骨を納めるためにバングラデシュを訪れた下川裕治の「魂」論。仕事に忙殺された日常で失っていった驚きや興味を取り戻すため、1年半の旅へ出た阿部稔哉。タイとベトナムの料理をイラストとコメントにした浜なつ子。「ソムタムは、唐辛子の辛さに酸味が加わったシャープな辛さが自慢の国民食」と、特に彼女のページは眺めているだけでニョクマムやライムの香りがツーンと鼻を刺激してくるようだ。タイのふっくらしたおばちゃんが杵(きね)を片手に食材をついてる姿は、まるで屋台にいるような錯覚を抱いてしまう。

下川は本書のプロローグで、著者たちを「アジアの語り部」と言う。スタンスの異なる20人。訪れた国もバラバラなら、書かれている内容も20人20色だ。だが、そこには共通するものがある。「行間から流れでるアジアの皮膚感覚」だ。アジアに対するそれぞれの「思い」がぎっしりと詰まっている。(知念梨華)

バックパッカー、取材者、ボランティア、定住者……誰もがするりと異文化の壁を抜ける瞬間がある。バンコクで沖縄でインドで台湾でマニラで、様々なアジアの場所と人々が織りなす20の物語。下川裕治、岸本葉子、素樹文生、門田修、浜なつ子ほか最強の執筆人が贈るエイジアン・ノンフィクション。全編書き下ろし!(BOOKデータベースより)

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説明

下川 裕治・神田 憲行・西岡 直樹・浜 なつ子・素樹 文生・他著
文庫:411ページ
出版社:講談社
ISBN-10:4062649454
ISBN-13:978-4062649452
発売日:2000/07