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モスリン300カウント前開きピンタックボレロ

モスリン300カウント前開きピンタックボレロ250カウントの極細糸で布を織る職人さえ少ない今日、300カウントの手紡ぎの超極細綿布は希少です。暑い国インドならではの伝統的な極上の手紡手織り綿は、この上なく涼しく滑らかで、他に比べようがありません。
(モスリンについての詳しくは、ぜひこちらをご覧下さい)

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サンヘンプ

サンヘンプジャケットSann Hemp マメ科
サンヘンプは、インド-アジア南部原産の一年草で、高さは人の背丈くらい。葉は三枚の小葉からなる複葉で、枝分かれが少ない茎を真っすぐに立て、秋に茎や枝の頂に美しい黄色の蝶形花を総状花序に付けます。日本では、土に酸素を取り込む緑肥作用の植物として知られています。茎からは丈夫な繊維が取れ、インドの村では、ヤギや牛など、家畜をつなぐロープを作ったりします。サンヘンプで作ったりロープはつながれた家畜の首を傷つけることがないので、ほかの繊維で作ったロープより重宝がられています。ベンガル人の友人のアニスルさんの仲間が布に織ってみました。亜麻とジュートの中間のような手触りで、涼しげなパンツ、シャツ、ジャケットができました。

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サンタルポト

サンタルポト

サンタル絵巻-インドベンガル地方
この無垢であどけなく、原初の生命感にあふれた生きものたちの図は、サンタル・ポテゥアと呼ばれる不思議な絵師たちによって描かれたものです。彼らは、インドの西ベンガル州からジャールカンド州にかけて広がる沙羅双樹の森の近くに住んでいます。自分たちはベンガル語を母語としながら、同地方に住むサンタル部族民の言葉を上手に話し、サンタル人の神話を絵巻物にして絵解きをして歩くのを代々の生業としています。森の住民である彼らが描く身近な同居人の動物や鳥たちは、みな尊厳に満ち、愛らしく、描かれます。この絵をみていると、彼らの住む森(ジャングル)に引き込まれてしまいます。

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ガープ染め

ガープ染めインドのベンガル地方にも柿はありました。直径4~5センチメートルの小さな柿で、全体がビロードのような茶色い毛でおおわれています。ベンガル地方では、ガーブと呼んでいました。子供たちが、熟れた実を食べたりしていましたが、渋くてあまり美味しいとはいえません。この柿には、ベンガルガキの和名があてられています。私たちの工房があるムルシダバードの古い城下町では、食べるよりは、渋い未熟の実から柿渋をつくって、魚網を丈夫にするために使われていましたが、今ではそれも、ナイロンの網の出現で、ほとんど使われなくなってしまいました。
私たちは、そのガーブの未熟果の柿渋をつかって、布を染めてみました。早く乾いていくところに染料が寄って、面白い濃淡ができ、また、タッサー(インド山繭)などでは、布になんともいえない光沢と張りが出ました。

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モスリン(極細手紡ぎ手織り綿)

モスリン紡ぎ
綿モスリン – アプサラスブラウス
綿モスリン – アプサラスブラウス

モスリンは、日本では薄くて柔らかいウールとして知られ、メリンスとも呼ばれていました。しかし、辞書によれば、モスリンは-昔イラクのモスルで織られていたファインな木綿-と書かれていて、もともとは極細上質木綿をさしていたようです。インドでは、すでに仏が生きていた紀元前5世紀頃、この上なく細かく上質な木綿がカーシ(ベナレス)で生産されていたようです。15世紀末インド航路発見以降、インドのモスリンはキャリコとともに世界各地に運ばれ、絶賛されました。今日、150カウント以上の極細の手紡ぎ綿糸を密に手で織った布をモスリンと呼んでいますが、その織り技術は難しく、数少ない伝統職人によって細々と生産されています。その感触は機械織の薄い綿布とは確かに違って、この上なく緻密、滑らかで、まるでミルクのような感触です。

綿モスリンブラウス
綿モスリンブラウス
綿モスリンブラウス
綿モスリンブラウス
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グウシ(藕糸織り)

グウシ
グウシ
蓮の根、または茎を折ると蜘蛛の糸のような繊維がでてきます。風がふけば飛んでいってしまいそうなこのうえなく細い繊維も、たくさん束ねて乾かすと、意外と丈夫な繊維になって、織り上げることができます。この蓮の根や茎からとった微細な繊維の糸はグウシと呼ばれ、昔から珍重されて寺院の曼荼羅の掛け軸や僧侶の袈裟などに使われてきました。その歴史を、織り作家の山本治代さんに調べていただきました。アナンダ工房はこの藕糸をインドで作りました。職人一人が1日に数十センチしか紡げず、まさに祈るような気持ちと手間をかけて、しなやかなショールに織り上げました。 素材の持つ風合いを大切にする為にあえて紡いだままの生成りにしました。糸の太さは職人の手の癖、そして色のむらは素材そのものの色合いで、どれ一つとして同じ物はできません。独特の輝きと不思議な質感が特徴です。
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沙羅双樹染め

沙羅双樹染めジャケット
沙羅双樹染めジャケット

沙羅双樹で染めた黄金の衣 釈迦が涅槃の時、その下に身を横たえたという沙羅双樹は、インドではごく普通に見られる木で、サンスクリット語でシャーラ、ヒンディー語でシャール、ベンガル語でシャルと呼ばれています。高さ20メートルを超す熱帯性の高木で、インドでは材を建築、家具に利用し、幹から採れる樹脂は、薫香として日々神前に焚かれています。日本の風土では育たないため、日本で沙羅双樹として植えられているのはたいていツバキ科のナツツバキで、この樹とは異なります。名のみ聞き知る本当の沙羅双樹で、タッサーシルクを染めてみると美しい黄金色に染めることができました。堅牢性にも優れた実用的な染色植物であるといえます。

沙羅双樹香
涅槃の時、釈迦がその下に身を横たえたという沙羅双樹は、インドではサンスクリット語でシャ-ラ、ヒンディ-語でシャール、ベンガル語でシャルと呼ばれるフタバガキ科の高木で、その幹から浸出する樹は焚くとよい匂いのする白煙を立ちのぼらせる。インドではそれをドゥニ―、(サルジャラサ)と称して祈りの儀式に用いる。それは古くに日本にも中国を通して白膠香の名で伝えられている。真の沙羅双樹は高さ20メートルを超す熱帯性の高木です。日本でシャラの別名で親しまれるナツツバキとは異なります。

沙羅双樹染めカンタ
沙羅双樹染めカンタ
沙羅双樹香
沙羅双樹香
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アッサムの黄金の繭 – ムガ

ムガシルクジャケットインドの山繭は主にタッサーが知られていますがそれよりはるかに生産が少なく、貴重なのがアッサム地方の繭“ムガ”です。
繭自体の色が黄金に輝き、張りがあるのが特徴です。幼虫が繭を作る季節、また食べる葉により糸の色も微妙に違います。それを織ることにより、まさに自然が織り成す気品と複雑さが出てくるのです。

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ベンガルのカンタ(刺し子)

カンタ刺繍の様子

カンタのワンピース古くなったサリーや男性が腰に巻くドゥティを数枚合わせてちくちくと刺したものをベンガル語でカンタといいます。一昔まえまでは、どの家でも寝るときに敷くものや掛けるものはほとんどみなカンタでした。ふだん使うカンタは粗い目で刺されていて、模様もありませんが、客用や、娘が嫁ぎ先にもっていくようなカンタには布地全体がさざ波だつほど細かく刺されていてきれいな模様がほどこされています。こうした模様のあるカンタをノクシ・カンタ(飾りカンタ)と呼んでいます。また新しく生まれてきた赤ちゃんのために送られるカンタはシュシュニ・カンタと呼ばれ、赤ちゃんの幸福を願って夢のある愛らしい模様が施されています。このごろでは、インドの村の生活も忙しくなってきて、限りなく時間のかかるカンタを刺す女の人は少なくなってしまいました。アナンダ工房では、この伝統的なベンガルのカンタを私達が身近に楽しめる様アレンジしました。