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ベンガルの藍 工場(Nil-kuthi)跡

インド西ベンガル州カトワ市近郊のGowai 村にある藍工場(Nil-kuthi)の沈殿藍槽の跡にいってみました。近くには、イギリス人(サヘーブ)が泊まっていたバンガローや事務所があったそうですが、いまは何もありません。この、藍の沈殿槽だけがベンガルの藍の歴史を物語っています。

イギリス統治時代ベンガルでは1866年頃までインド藍の栽培が行われていました。
収穫したインド藍(キアイ)を、この右側の層に入れ、数十時間発酵させた後、藍の色素が溶け出た水を左の層に流し入れていました。右の槽の底部には藍の溶出液を流し出す穴があります。左の槽で消石灰を加え撹拌し、酸化させて不溶性の沈殿藍にしたと思われます。上澄み液を捨てた後、沈殿藍を乾燥させてケーキ状にしました。この藍ケーキは東インド会社の主要な品目の一つとしてベンガル湾からイギリスへ運び、ヨーロッパ各地に供給していました。

周辺住民は、この槽のレンガをバラして盗もうとしましたが、あまりに頑丈に作られているので
これ以上壊すことができず、この状態で残っているそうです。歴史的建造物として保存されることもなく、今では表の壁は燃料にされる牛糞を乾かす格好の場となっています。