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御隠殿坂のニワゼキショウ

御隠殿坂は寛永寺の北門から根岸に抜ける山道で、昔は寛永寺から輪王寺宮法親王の別邸に行く道だったそうだ。坂を下った根岸は、川が流れ、梅が咲き鶯が鳴く風情のある場所だったに違いない。明治時代には、正岡子規が長屋に住まい、そこでは文人達がたむろした。子規はにこの坂で歌を読んでいる。

御院田にて鳴雪不折両氏と別る
月の根岸闇の谷中や別れ道 (明治27年)

ニワゼキショウは坂の土手の上のあちこちに群生している。小さな飴玉のような種がかわいい。
谷中の御院殿坂の道は今でも日が暮れれは闇、そして月は根岸から登ってくる。